部屋くらいの広さのあるトランクルーム。
例えばDIY家具を設置してオシャレな内装にしたり、趣味のグッズに好きなだけ囲まれたりして、自分だけの部屋にしたい。そんな方も多いようですが、実際に「住む」となると、色々と問題があるようです。
今回は「トランクルームに住む」というテーマについて解説していきます。
トランクルームに住むのは違法?
トランクルームに住むこと自体は、直接的に違法とは言えない場合もあります。しかし結果的に、違法になる可能性が高い行為です。

なんだかややこしいですね。
- トランクルームで暮らす→トランクルーム業者との契約違反で追い出される
- トランクルームに住民票を移す→トランクルームを「生活の本拠」にする必要があり、上記理由から難しい
- 契約違反なのにトランクルームに無理やり住む→訴えられれば何らかの罪に問われる可能性もある
上記の通り、トランクルームに住むのは、法律や契約の観点から現実的ではありません。
「住む=住民票を移す」とすると、これはほぼ不可能です。
まず住民票を移すには「その場所を生活の本拠とする」必要があると、民法で定められています。
各人の生活の本拠をその者の住所とする。
出典:民法第二十二条
しかしトランクルームは生活する目的で貸し出されるものではありませんので、生活の本拠にするのは難しいことだと言えます。
根拠は国土交通省の定める倉庫業法で、条文は以下の通り。
この法律で「トランクルーム」とは、その全部又は一部を寄託を受けた個人(事業として又は事業のために寄託契約の当事者となる場合におけるものを除く。以下「消費者」という。)の物品の保管の用に供する倉庫をいう。
出典:倉庫業法第一章第二条
「トランクルームとは物品保管用の倉庫を指すので、居住用ではない」という理屈ですね。
「別の場所に住民票があり、トランクルームに住み着く」ということであれば、その行為自体は違法ではないかもしれませんが、トランクルーム業者から契約違反で追い出されます。(契約条項をご確認ください)



普通に無理ですね。
トランクルームに住むのは、そもそも物理的に厳しい
さらに言えば、トランクルームに住むのは物理的に考えても現実的ではありません。
鍵をかけられない
トランクルームは、内側からは鍵をかけられない仕様になっていることがほとんどです。



保管用だからですね。
つまり中で暮らしていると、寝ている時間帯などの防犯面がガバガバになります。誰かが侵入してセキュリティが駆けつけたとなると、暮らしているのがバレて契約違反で追い出されます。
よってトランクルームで暮らすのは難しいと言えます。
トイレや水回りがない
屋外はもちろん、屋内のトランクルームであっても、ほとんどの場合トイレが設置されていません。
例えば全国にトランクルームを運営している「ハローストレージ」が運営している「トランクハウス24」の口コミを調査した時にも「トイレを設置してほしい」という声が見つかりました。



あくまで荷物を保管する用途で貸し出される場所なので、トイレも、もちろん台所も設置されていないのですね。
巡回やセキュリティが来る
暮らしていると、どうしても物音がします。店員さんの巡回やセキュリティが来たときに、どう考えても見つかります。
トランクルームに2年半住んだ人の事例が紹介されている記事なども見つかりましたが、どこまで本当かわかりません。住んでいて人に見つからないなんてことは考えにくいことです。
見つかればもちろん追い出されますので、やはりトランクルームに住むのは現実的ではありません。
トランクルームに住むのは無理だが、遊び場にはできることも
トランクルームに住むのは、ここまでの解説の通り難しいと言えます。
しかし遊び場として使うなら、推奨されているトランクルームもあります。自分だけの部屋として利用したいなら、住まいは別に用意した上で、そういった「遊び場として使えるトランクルーム」を検討しましょう。
例えば業界大手のハローストレージ


1Fは車をおけるガレージになっていて、2階は趣味の部屋として使えるような遊び場として使えるトランクルームですね。
一般的なトランクルームは荷物置き場としてしか利用できませんが、中にはこういった趣味に使えるものも存在します。
こういったトランクルームを契約して楽しむのが良いのではないでしょうか。
まとめ
トランクルームには、住めません。
結果的に契約違反や違法になり、追い出されるのが目に見えています。
あくまで荷物置き場として使って、住居は別に用意しましょう。